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「はい」
「テツ……俺だ…」
この声はーー
「ちょい待ち、蒼真」
俺の親友、河原蒼真(カワハラソウマ)。
頭は天才の域。
運動神経抜群。
顔はムカつくほどに…イケメンだ…。
ちなみに空手部所属。
幼稚園の頃からの親友で、かなり無愛想な奴。
ですから彼女は出来た事がない蒼真。
ざまぁみろ!!!
わっはっはっはっ!!!…はぁ………
ラブレターいっぱい貰ってるくせに…
「早くしろよ…」
「ちょっと待てや!!」
「……なんでそんな怒ってんだよ…」
ムカついてんだよテメェに!!!
颯爽と着替え終わる俺。
鞄を担いで部室から出る。
外には無表情のクセに男の俺でも格好いいと思ってしまう蒼真がいた。
「遅ぇよ……」
「うっせ!!普通に間に合う時間だろうが!!」
「俺は10分前には席に着く派だ」
「真面目ちゃんか!!」
まぁこんな感じが日課な訳です。
俺と蒼真は校舎の中に入り、靴を履き替えに靴箱へ。
するとーー
バラバラバラ
蒼真の靴箱から有り得ないほどの封筒が。
漫画みたいに封筒が…
正確にはラブ……
「おい、蒼真」
「ん?」
「半分俺に分けてくれ」
「アホか」
ちくしょぉぉぉぉぉ!!!
蒼真ばっかり!!
蒼真ばっかりぃぃぃ!!!
「先行ってるからな…」
泣き崩れる俺に冷たい一言。
呪ってやります。
えぇ、あの野郎を呪ってやりますとも…
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