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―――バサッ!!
ガキンッ!!
―――カランカラン・・・
一瞬、何がおきたのかわからなかった。
追っ手も驚(おどろ)いているようだ。
突然、追っ手のナイフに何かが当たって弾(はじ)かれたのだ。
「ゴフアッ!!?」
ナイフを弾かれた追っ手が突然後ろに変な声を出しながらひっくり返った。
―――いや、ひっくり“返された”。
「―――神威針(かむいばり)」
どこかで男の声が聴こえたと思った瞬間、
「ぐあっ!!?」
「がっ!!?」
私の両脇(りょうわき)に2人の追っ手が倒れ込んできた。
後ろを振り返ると、誰もいない―――ように見えたのだが、人影のようなものが小さく見えた。
「―――まったく、標的(ターゲット)が目の前だからって注意が足りないなぁ~」
人影が何かブツブツ言いながら私に近づいてくる。
まだ身体に力が入らない私は、その人影から逃げることができなかった。
私はただ、その人影が近づいてくるのをボ~っと眺めることしかできなかった。
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