気持ち。

2/7
前へ
/308ページ
次へ
雨が痛く痛く 宏太を濡らして行く。 震えは涙から。 宏太から流れた涙は、 宏太を凍えさせ震えさす。 雨が冷たい訳ではなく、 涙が冷たいのだ。 涙は雨に誤魔化され、 目には雨しか入らない。 だが確かに宏太の頬は 涙が伝っている。。。 「馬鹿だな。  馬鹿だよ、宏太は。」 雨でこの言葉は 宏太に届かない。 「ほんとに馬鹿。。。  馬鹿宏太!」 この言葉も伝わる訳ない。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加