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第二章_傷と傷
「笠原さん、どいてよ」
日に日にいじめはエスカレートしていった。
咲乃真理は、いつも取り巻きと登下校していた。
今日も教室に、3人一緒に入ってきた。
丁度扉の前にいた私は、冷たく注意される。
「ごめんなさい…」
私は急いで教室の隅へ寄った。
小さくて、おどおどして…そんな自分が大嫌いで、また今朝も学校に来てすぐにトイレへ行った。
目的は、手首を切るため。
傷口が制服に擦れて痛んだ。
「全然邪魔だから!」
真理が私の体を強く押す。
手首に気を取られていた私はその場に倒れてしまった。
「っ……」
「…あれ?」
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