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真理が近付いてきた。
そして、私の手首を掴み上げた。
「きもっ。こいつ手首切ってんじゃん」
倒れた拍子に、少し袖がめくれたのか、傷が見えてしまったらしい。
私は血の気が引くのを感じた。
「や、やめてっ…」
とっさに手首を引っ込めようとする。
しかし真理の力は強く、傷だらけの手首には中々力が入らない。
抵抗する私と、皆に傷を見せる真理。
二人を囲んでざわつく同級生の中から、静かな、けれど凛とした声が響いた。
「ただの傷を笑うほど君達は暇なんだね」
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