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何者だあいつは…。剣を地面に刺しただけで10人の兵士を倒すなんて只者ではない。隊長クラスかそれ以上か。
「さて…この国の王の首でも取るか」
黒い鎧の人物は城の方へと歩き出す。今の騒ぎで町中の人が黒い鎧の人物に注目している。兵士ではない一般人はすぐに逃げていく。
だがな…俺は逃げねぇーよ。このまま王の元へ行かせるわけにはいかねぇーから。俺は黒い鎧の前に立ち塞がった。
「何だお前は…。どけ」
「どかねぇーよ。ここでてめーを止めないと王が危ないからな…。まぁ城に行っても強力な化け物じみた兵士が沢山いるけどな」
俺は腰にある剣に手を掛けた。いつでも剣を抜けるように。べらべらと俺が喋っている間にも一般人は逃げている。それでいい。少しでも時間が稼げれば。
「…邪魔だな。今すぐ殺してやる」
黒い鎧の者は大剣を握り、横へと振り回してきた。
俺は咄嗟にしゃがんで大剣をかわした。この体勢から攻撃は難しい。俺は一旦後ろに下がった。
「リュート!大丈夫!?」
レイラが心配そうな声が聞こえる。俺なら大丈夫だから早く逃げてくれと言いたいが、その暇もなく、黒い鎧の人物は再び襲いかかってくる。
次は大剣を縦に振り下ろした。大剣は攻撃速度が遅い為、軽々と攻撃をかわした。だがそれはフェイクだった。地面に大剣が振り下ろされた事で先ほどの衝撃波が地面に伝わって俺に襲いかかる。
「おっとあぶねぇ!!」
俺はジャンプして衝撃波をかわした。その行動に黒い鎧の人物は驚いたのか一言発した。
「お前…!?…何者だ!?」
「逆に聞くが、お前こそ何者なんだ?その衝撃波強すぎんだろ」
俺は質問に質問で返す。まずこいつが旗を斬った犯人なのかはわからない。でも異常に強いって事はわかる。何の目的があって王を殺そうとしているんだ?
予測だが…コイツが旗を斬った犯人だと思う。そっちの方も確かめないとな。
「…何者か。俺はただの平和主義を求めるお前達が嫌いなだけだ」
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