リュート=アクライト

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俺は何とか立ち上がり、黒い鎧の男と同じく魔力具を腕に付ける。そして魔力具の力を解放する。 「リュート…それは…」 俺は全身光に包まれて、すぐにその光は消えた。俺の剣は銀色の炎が纏わりついている。そして髪の色が黒だったのが、銀色に変化する。 「お前…その姿…見た事があるぞ!?」 この姿になるのも久しぶりだ。俺は魔力具を2つ持っていて、1つは普通の炎属性が込められたものだ。この銀色の炎の魔力具は強敵との戦いの時に使用する事に決めている。 何故なら俺の正体がすぐにばれてしまう。この力で幾多もの伝説的なものを残してきたから。俺はそう思っていないけどな。 黒い鎧の男は俺を知っているようだ。そこまで俺は有名なのか?過去の事なのに。 「お前はあの…伝説とも言える剣士…楼屡山(ろうるざん)に住まうヴェルグドラゴン2体を1人で倒した剣士……お前だったのか…」 やはりな。ヴェルグドラゴンは5人居ても倒す事が難しいモンスターだ。俺は運良く2体同時に倒す事が出来た。その話もいずれ語る事にしよう。 この状態になると、弾丸如きではやられない。銀色の炎が防御壁となって俺を守っているだからだ。 俺を本気にさせた黒い鎧の男。絶対に倒して捕まえてやる。 「お前は確か…別名が付いてたはずだ。なんだっけな…」 別名か。そんなものがあったな。誰がつけたのかわからないが俺は意外にも好きだった。 話ももう終わりだ。俺は黒い鎧の男へと距離を一気に詰めて、銀色の炎を帯びた剣を両手で持ち、黒い鎧の男を胸から腹部にかけて縦に振り下ろした。 「がはっ!!」 黒い鎧は真っ二つに斬れてしまい、鎧はドスンと音を立てて地面に落ちた。 「俺を本気にさせたんだ。このぐらいで済んだだけ有難く思え。…あと俺の別名は、 銀炎ノ剣士と書いて【シルヴァイン】だ」 黒い鎧の男は地面に片膝をついている。もう戦える力は残ってなさそうだな。 「そうだ、シルヴァインだ。…今回は退かせてもらうぜ。シルヴァイン!」
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