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旗が折られる大事件から1日が経った。町は旗の改修作業に取り掛かり、沢山の兵士が出動している。
そんな中、怪我人の俺は朝早くから行われる予定の隊長会議に出席する羽目になった。就任式的なものも兼ねてだそうだ。
俺の住む家は城下町の中心付近に存在する。そこは実家ではなく、一人で暮らしている家だ。実家はレック町から20キロ程離れた小さな町【ヒューノ】にある。
家から出て、すぐに城へと向かう。朝早くといっても10時からだけど、早めに行っといた方がうるさくは言われないだろう。
隊長会議にはレック城に所属する全隊長が出席するわけではない。遠征に行っている隊や自ら断る隊長もいる。
だが今回は遠征に行っている意外の隊長全員が参加するんだ。全部10隊もあるから最低でも10人と接する事になる。
その上に選ばれた3人がいて、王様補佐、そして一番上には王様が存在する。選ばれた3人は【蒼三士(レイド)】と呼ばれているようだ。
実はその3人とは面識がありまくるんだけどな。俺と昔は肩を並べて一緒に戦った奴らだ。
「お!!リュートじゃねーか!」
と考えていたら、3人の1人が俺を見つけたと同時にダッシュでこちらへと走ってきた。出たよ…。
「ん?あー雑魚のジゲートか。久しぶりだな」
コイツはジゲート=クルダ。蒼三士の1人だ。俺とは昔からの知り合いで一応仲良くはしている。青髪の短髪で耳にピアスをしていて、格好つけてんのかわかんないけどちょっとムカつく。あと別名、俊足のジゲートとか呼ばれてたな。
「はぁ!?雑魚じゃねーだろ!何言ってんだよリュートよ~!」
やべー…やっぱりうざいなジゲートは。蒼三士の中でも最弱で俺よりも弱い。俊足と言ってもそこまで強くはないんだ。
そんな奴が何故蒼三士に属しているのか?それは未だに謎だな。
「謎じゃねーだろ!」
「おーそれだよな。お前の特技。セクハラ」
ジゲートは心を読む事ができる(多分)。今だって普通に俺の心を読んでいた。
「だからジゲートは最弱でも蒼三士に…」
「いやいやさっきから声に出てるんですよリュートさん!!」
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