29人が本棚に入れています
本棚に追加
「…あ、ベイル!早いね!」
ジゲートは壁にもたれ掛かる人物の名前を言った。ベイル=ルレイン。蒼三士の隊長とも言われているこのレックで最強と名高い人物だ。
別名、【雷殺(らいさつ)の魔剣士】と呼ばれている。俺みたいにシルヴァインっていうカタカナ読みはないけど。
扉の奥は一本の廊下になっている。俺はその廊下を素早く進んでいく。ベイルを無視して。
「……やっと隊長になったか。アクライト」
ベイルが話しかけてきた。ベイルは長髪で背中の中央まで髪が伸びている。髪の色は紫。その髪でいつも左目が隠れている。
コイツはリュートとはいつも呼ばない。アクライトと何故か呼ぶんだ。
「強制的にな」
俺はベイルにそう言った。間違いではない、強制的にならされたんだ。俺はベイルの横を通り過ぎて会議室へとさっさと向かおうとする。
「……俺が推薦したのに、感謝もないか?」
「…なんだと?」
ベイルが俺を推薦?隊長にってことだよな?それに何のメリットがあるんだ?…何もねぇーよ。俺より強いベイルに何も。
ジゲートを俺は見ると、知っていたかのような顔つきをしている。コイツ…知ってたなら先に言えよ。
「推薦ってなんだ?お前が俺を推薦する理由はなんだ?」
最初のコメントを投稿しよう!