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城下町に出るとメツ隊長は言った。
「何か町が騒がしいな。…ん?」
城下町が騒がしいとメツ隊長は言う。夜だから仕事が終わり、酒場に行く者や家に帰る者など居るから当たり前だと思うけど。
「ウソでしょ…あれが!あれが折られるなんて!」
「襲撃か!!?」
住民が騒いでいる。この騒ぎようはいつもと違う。皆が驚愕した表情で叫んでいる。しかも"折られる"って何だ?
「リュート…これはありえねぇ。こんな事が起きる日が来るなんて」
俺はメツ隊長が見ている方角を注目する。すると驚きの光景が目に映る。…レックの出口に国の象徴として立てられているヘルハ国の旗が折れていた。
この旗が折れた光景はこの25年間生きてきて、一度も見たことない。
「メツ隊長…これは…!」
「俺も…初めてだ。旗が折れてるなんて…。」
俺とメツ隊長は旗を見て驚愕している。そんな所に1人の兵士が走ってメツ隊長へと言う。
「メツ隊長!いい所に!至急、城の会議室に向かってください!緊急会議です!詳細は…見ての通り、旗が折れた件です」
兵士がメツ隊長にそう言った。こりゃ…飲みに行っている事態ではないな。
「ごめんリュート。またいつか就任祝いをするからな!」
メツ隊長は城の方へと戻って行った。俺も酒場なんて行ってる場合ではないか。
折れた旗に近付いてみよう。何かわかるかもしれないからな。
だがその周りには兵士のせいで近づけなかった。俺も兵士だけど、それだけで通れるわけではない。
俺は警備をする仕事の兵士ではない。とりあえず話でも聞いてみよう。
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