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「そんなことできるわけないじゃない。だってあたし普通の人間よ?」
普通の人間は自分の事を普通と思っている。そりゃそうだ。そんな自分はアニメのキャラクターでもないし、かと行って芸能人でも無い。
だけど、そんな普通の自分が世界に一人だと思うと、何故か特別な気分になる。
60億分の1億、さらにまたその中の一部が通う学校の校舎で2人の男女が廊下で会話をしている。
「いや、だけどまじで北川さんだったよ?!」
服装格好からして高校生だろう。少年は学ランを着ているし、少女の方は太ももくらいまでのスカートを履いている。
会話の内容は、少年の方がどこかで北川と呼ばれる少女を見かけたという内容だ。必死に話す少年をよそに少女の方は、めんどくさそうに腕組みをしていた。
「悪いんだけど、そんなに話したいのなら別の子に当たってくれる?」
話す口実を作りたい男とでも思ったのだろうか。北川と呼ばれた少女は少年を軽くあしらってさっさと廊下を歩いていった。
「・・・やっぱり夢か何かかな・・・。あんなの人間じゃないし・・・。」
別にナンパでもなんでも無い。ただある事の真相を知りたかっただけ。少年は怪訝な顔をすると、少女が歩いていった廊下とは反対の方へ歩いていった。
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