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「書類が山になるくらい」
「よし、行こう。キッチリ行こう! そして今のうちに発散しよう!」
“書類”という単語が聞こえた途端、学校に行けと私たちに言った人物が思い浮かんだ。それは私たちがお世話になってしまった人だから、逆らえないことが分かった。
つまり、これは決定事項で反抗の余地がない。
「じゃあ、明日から発散しに帰郷するって、ガイに言っとくねー」
ルリアがそう言って、にこにこしたままベッドから降りた。彼女はなんだかんだ、学校が楽しみのようだ。
「任せた。あと『仕事は免除だよな?』って脅しといてー」
「おっけー。緊急時以外の呼び出し拒否ねー」
了解をとったルリアは、そのまま振り返ることなく私の部屋から消えた。
私の言葉をさらっと訳してしまえるあたり、ルリアの理解は抜きん出ている。今頃、ガイと穏やかに話しているだろう。
さて、一時間もすればルリアは戻ってくるはずだ!
その時間に『帰郷』の支度を済ませ、読みかけの本たちを読んでおかなければならないな。
――学校、未来ある者の場所か。
またガイが、人付き合いと休暇を兼ねて、なんて理由を付けたんだろうな。それをルリアがノリノリで了承したに違いない。 楽しいかもしれないじゃないか。
とりあえず、戻ってくるまでに武器の選出と支度を済ませよう。せっかく発散しに帰るのだから、それも楽しもう。
私はベッドから降りて、着替える。
ルリアが戻ってきたのはそれから一時間後。ガイの部屋で軽くお茶会してから、だった。
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