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俺がぜえはあと肩で息をしているのを見ているだけの目の前の男は、すごく楽しそうだ。加虐趣味でもあるのだろう。
加虐趣味の神か。確かに縋っても簡単に助けを出さないだろう。気紛れで蜘蛛の糸を垂らしたりとかもしそうだし……妙に腑に落ちてしまった。
「はーい、じゃあ深桜君に施した改造(チート)内容を発表するよー! 質問があればどんどんしちゃってねー!」
どんどんぱふぱふ、と定番にもほどがあるSEを流した男の言葉を一字一句聞き流さないように意識をそっちに向ける。
さっきまで何を考えてたかなんてそんなことはどうでもいい。
「まず一つ目、膨大な魔力と魔法知識。世界破滅する程度の魔法を百発位打っても大丈夫なくらいにたっぷりの魔力とそれに見合う魔法知識のプレゼントです!」
「質問です。その魔法知識っていうのに言語とかは含まれているのですか」
「おや、早速ですか。そうですね含まれていますよ。
貴方がいく世界では基本的に『統一言語』と『古代言語』が存在しており、現代において伝承や遺跡、旧い魔法、一部の隠れ里で『古代言語』が使われておりまして。
現代陣魔法などは古代言語と統一言語が混在していたりするので言語には困らないでしょう」
もちろん意識すれば日本語や漢字の筆記や発声もできます、と男は付け足す。
すでに改造された頭の中の知識によるとその人自身の性質がある程度属性の得意不得意や魔法の特徴というものに関わってくるらしい。
俺の魔法の特徴は、おそらく「滅却」。全てを消し去るというのが主軸に置かれており、どのような魔法にもその性質が加わるらしい。
……回復で滅却とは如何に。まあ、いっか。
考えてたことの整理がついたのがわかったのか、男の改造成果発表の続きが始まる。
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