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「だが……俺はお前を狩らなきゃならない……」
「……」
その言葉を聞いた女ヴァンパイアは眉をひそませながらハンターを見た。
まるで、その言葉の裏にある意味を探しているかのように…。
ハンターはその視線に答えるかのように言葉を続けた…。
「俺には……もう時間がないんだ……お前を狩り…“アイツ”を殺らなきゃならない…」
「……時間がない…ですって?」
その時、女ヴァンパイアはハンターが纏っている血臭が徐々に“人間”とは違う者に変化している事に気づいた。
「あなた……もしかして……」
ハンターは女ヴァンパイアの言葉を遮るように殺気を放った。
女ヴァンパイアはハンターの瞳に宿る覚悟を垣間見、溜息を尽きながら構えた。
「…いいわ…あなたの覚悟…見届けてあげる…」
その言葉と同時に女ヴァンパイアが纏っていた空気が変化し、動くもの全てが時間を奪われたかのようにその動きを止めた…。
「……全力で来なさい……ヴァン・ヘルシング…」
「言われなくても…お前を倒し、お前の兄であるヴラド・ドラキュラも倒す!!……殺されても俺を怨むなよ?…セレナ・ツェペシュ!!」
ヴァン・ヘルシングがそう叫ぶと同時に両者は己の武器を構え相手を倒すべく走り出した…。
1人は生きるために…
1人は己の願いを叶えるために…
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