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暖かな朝の日差しが木々の間からこぼれ、幻想的な雰囲気を醸し出す森の中で1人の美しい女性が傍らに座る4歳ぐらいの女の子に話を聞かせており、女の子は女性の話す物語を熱心に聞いていた。
「…1人は生きるために…1人は己の願いを叶えるために…」
女性はそこで話を止め目を輝かせながら聞いていた女の子の頭を優しく撫でた。
女の子は嬉しそうに目を細めたが、話の続きが気になるのか女性に質問を投げかけた。
「ねぇねぇ!そのあとふたりはどうなったの?」
「ふふっ…焦らない焦らない。ファイはどうなったと思う?」
ファイと呼ばれた女の子は話の“続き”を必死に考えた末、一つの答えを出した。
「う~んと……ふたりはなかよしになった…?」
ファイの答えに女性はクスクスと笑いながら頷くと、ファイを優しく抱きしめた。
「ファイの言う通り!戦い終わった後…何故か2人は惹かれあって、一生を共に過ごす事にしたの…」
「なかよしになれてよかったね!ケンカはめっ!!だもん!」
「そうね…喧嘩はいけないものよ。ファイは喧嘩しちゃだめよ?」
それを聞いたファイは元気よく頷いた。
「この話にはまだ続きがあるのよ?」
「そうなの?!聞かせて聞かせて!!」
女性は海のような蒼色の瞳を輝かせているファイの頭を優しく撫でると、女性は話を続けた。
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