2人が本棚に入れています
本棚に追加
女性を抱えては男が去った反対方向に歩き出す
「…罪を侵した事は咎めない。それでもそれを背負い、浄土に送る事…それが俺の使命"ヤクソク"だ。」
ピキピキ…何かが割れ始める音が響く、青年の言葉に共鳴するかのように。そして大きな陽炎もまた爆風だけを残して消える。
――――――――+>
その一方で安堵に浸っていた男、大きな木の影に座って大声で笑う
「ハハハハ!!あの悪魔から逃げ切れるとはなぁ!あめぇよバーカヒヒヒ!
しかもあの容姿からして…さぞ名のあるギルドに違いねぇ」
「へぇ…よく観察してるじゃないか、悪党にしては中々やるな人間」
「だが、主君に対する卑劣な言動は許せません。悪魔…それは貴様の事だろうが!!」
男の声の後に木霊(コダマ)する二つの声、ふと聞こえてくる声に再び殺意を感じ辺りを見渡しては得物を抜く。
「まぁそう熱くなるなよレアル、穏便に…だ。」
ズサッと芝生を叩きつける音が二つ、男の正面と背後から聞こえてくる。何か大きな物体だが、姿形は見えない…陽炎だけが蠢いていた。
「ヒッ…っ何なんだ!?」
「何なんだ…か。そうだなぁ。人間とは異なる存在」
「言い回しが長いんですよディア、てめぇを食いに来たもんだコラ!!」
理論的に物を言う者と最初だけ丁寧な口調で後は暴力的な物言いを使い分ける者、男は恐怖と死に直面し顔をひきつらせては身を震わせ怖じけづく
最初のコメントを投稿しよう!