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そして最期の一声を上げて浄土の道標へと誘われていく男、静寂だけが周囲を支配し魂の無い肉体が氷の棺に入れられている。
「下の下…ですね。後味最悪だ…ペッ」
「下品だな君は…さっ帰ろう。主の元へな」
大きな痰は芝生を溶かし地面に穴を開け、二つの物体が去った瞬間に突風が巻き起こり棺が穴に落ちる。そしてパリンと良い音を奏でて割れると同時に他の氷も連鎖して砕け散る。
「暁の猟犬(ブレイク ザ ハウンドドッグ)…中々の逸材だなあの小僧」
「単独を好み、上位の仕事をこなす腕はレイダーランカーの中でもズバ抜けて高いと言えます。」
黒髪の男とブロンドの長髪をした女、どちらも赤いコートを羽織、背中に剣を携える。男の方はガタイが良く、両手に黒い手甲を身に付け
女の方はスマートで腰に複数のホルスターの付いたベルトを装着している、どちらも美男美女だが、不気味なオーラを纏う姿は常人の人とは異なる。
「…リリ、十字軍(クルセイダーズ)に召集を掛けておけ。」
広場に残った大きな足跡を見ては無表情でそう女…リリと呼ばれる女性にそう言い
「時は…近い、そう言う事ですね。大尉」
女はそう言うと少し寂しげな表情で言い、大尉と呼ぶ男に近寄る。
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