episode0-黎明の咆哮-

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「上層部の考え次第だが…旧世界から伝わりし"英名聖戦(セルメルナード)"を開戦する時は…近いだろう。心しとけ」 「…はい」 ポツン…乾燥した地に一粒の雫が落ちる、それを機に大粒の雫が無数に落ち始め地を潤す いつの間にか男女の姿は無く、夜が更けていく時が来た…。 そんな中、白光を帯びて天から舞い降りる翼を生やした獣に跨がる人影 ゆっくりと地面に降り立つと口元を緩ませて人差し指を曇天の空へと向ける 「この地に安らぎの光を。癒しの時を経て、我等が子を生みたまえ」 指先から一筋の光が天へと導かれると、輝きに満ちた粉が地上に降り注がれる。 湿った芝生が盛り上がりそこから巨大な獣が無数に現れ始め、曇天の明けた星空に向かって一斉に吠えわたる それを見ていた人影はクスリと笑って再び空に舞い上がった。 「君達、監視は頼んだよ。派手な動きはしないように…時を待つんだ 戦いの日までね。」 白光は強さを増して閃光の如く瞬速で天空に上がり、消える。 その容姿はまるで天使のようで、地を管理する創造主のようにも思える…彼の行動は何を意味するのか。
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