終わりはいつも、突然に

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たぶん、一目惚れ。 俺、テンション上がってさ。 話しかけちゃったの。 「五十嵐さん?バスケ部の見学行くの?」 まあ、実際に行くから聞いたんだけど。 「うん。実花と。……えぇっと…」 「あ、俺、栗原。栗原響。」 「あぁ。栗原くん。……もバスケ部?入るの?」 ニコニコと受け答えしてくれてさ。 すごい嬉しかった。 「俺も一緒に行って良い?」 だから、そう言ったんだ。 「うん!……あ。実花?こっち!」 廊下から教室を覗いてた女子に手を振って近づいていった。 そのときは知らなかったけど、そいつが川浪実花(カワナミ ミカ)。 俺と実花と茉莉はその日からまあまあ仲良くなった。 女バスと男バスだけど、体育館の割り当ては一緒だし。 だから、茉莉と過ごす時間も長かった。 あんなに一緒いて、かわいくて、バスケうまくて。 それで、良い子ときた。 好きにならないほうがおかしい。 俺はあの日からずっと、茉莉が好きだった。
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