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「茉莉ちゃん、部活行くよー。」
「わわ!待って響くん!」
俺の好きだった子。
五十嵐茉莉(イガラシ マリ)。
もう、大好きだった。
夏休みまでには、もうすげー仲良くなった。
向こうもまんざらじゃない感じ、だと思ってたんだけどね。
* * *
あれは、夏休みの部活終わり。
次の日がこの辺で一番でかい花火大会の日だった。
「明日の花火誰と行くのー?」
軽い気持ちで、茉莉に聞いた。
「麻央とか。あやちゃんとか。」
「俺さ、涼とか拓斗とかと行くんだけど、一緒に行かない?」
本当に、軽い気持ちだった。
「行かない。」
茉莉の返事は即答。
「えぇ!そんなに嫌?」
ショックだった。
「……拓斗が、嫌。」
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