その子とあいつの関係性

5/12
前へ
/59ページ
次へ
     * * * 「響ー!」 遠くから名前を呼ばれる。 小さな女の子がピョンピョン跳ねながら、体育館に続く廊下を走ってくる。 ……茉莉だ。 「……よ!おちびちゃん!」 「チビじゃないし!」 いつも通りの会話。 失恋した、なんて誰も思わねぇ。 うん、大丈夫大丈夫。 「帰り、ミスド行くかー?」 やっぱりまだ隣にいたくて。 気づくと口に出していた。 「んーん。今日はサキチャンと。」 「サキチャン?」 「女バレの子!……てか、あれ?響知らなかったっけ?」 サキチャン、サキチャン…? どっかで聞いたような。 「ほら、港祭りで。私と一緒にいた子!」 「あーあーあー!いたね。いたいた!あの子か。…港祭りの日は優太の件で必死だったからさ。」 「あー、優太ね。まだ告れてないんでしょ?」 茉莉はニヤニヤしながら笑ってる。 「……茉莉、うるさいよ?」
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加