波紋

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ユリティアはまず、紅茶の色を見る。 そのため、この時に使うのはガラスのティーポットが多い。 それからグレイユがカップに紅茶を注ぎ、香りを嗅ぐ。 少しつんとした香りが広がるが、ユリティアは顔をしかめる。 『刺激的過ぎたかしら…』 ユリティアはカップに入った試作品を一口飲む。 ユリティアの口の中にふわりと辛味が広がるが、その後には甘味が辛味をまろやかにして、飲みやすい。 ユリティアは頷くと、紙に印を付ける。 この印はユリティアが気に入った紅茶にしかつけないものだ。 グレイユはもうひとつカップをワゴンから取り出し、紅茶を注ぐと、グレイユも紅茶を飲む。 『始めにしては上出来ですね。』 グレイユはペンを取り、印の上に星を書く。 この星はグレイユが気に入った紅茶に付けるものだが、一番始めに作った紅茶で付けるのは初めてである。
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