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『今日は上手くいったみたいね。でも……最近市場に行けないから茶葉の種類が増えないわ…』
しょぼんと肩を下ろすユリティア。
以前、ユリティアは定期的に市場へ赴き、良質な茶葉を仕入れていた。
最近は色々と忙しく市場に行く暇さえないのが現実であった。
ふと、ユリティアの目に飛び込んできたのは、記念樹の紅い花。
花びらは細い糸が集まったような変わった形。
ユリティアはこの樹の名前を知らない。いや、忘れたのかもしれない。
『グレイユ、あの樹の花を紅茶に出来ないかしら?』
『食用であれば可能だと思いますが、あいにく私はあの樹のことを知りません。少し魔法で調べてみましょう。』
グレイユは樹の幹に手を置くと、水の流れをよみ始めた。
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