波紋

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ブルーユの茶葉はさっぱりとした味わいなのに香りがほとんどない。 カナルの花からは麝香(じゃこう)のような香りが広がる。 『グレイユ、お願い。』 グレイユがカナルの花の上に手をかざし、低い声で呟く。 『水よ、消え失せよ…』 しゅわわわと音が上がり、カナルの花は完全に乾燥していた。 ユリティアは別のティーポットを取り、カナルの花を握り潰す。 はらはらと細かくなったカナルの花にブルーユを合わせる。 グレイユが湯を注ぐと、ティーポットが夕日に染まる。 カナルの花と紅茶の色が合わさり、透明感のある橙になっている。 ユリティアはカップに紅茶を注ぎ、驚く。
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