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空にはまだ夜のように暗闇が広がり、うっすらと明るくなってきている。
ユリティアが王宮の入り口に荷物をまとめて入れたカバンを持って走っていく。
そこには国王のオルフェイスと竜の姿となったグレイユが居た。
ユリティアはグレイユに取り付けられた鞍にカバンをくくりつけると、鞍に横乗りになる。
ユリティアは一切の装飾品を付けておらず、飛行には向かない水色のドレスと蒼いハイヒールを履いていた。
『お父様、行ってきます。』
ユリティアが手を振ると、グレイユはあまり衝撃を出さずに離陸する。
手を振るオルフェイスの姿が小さくなっていき、ユリティアは鞍を握る。
蒼い鱗はサファイアのようで、ユリティアが触れると思ったよりは硬かった。
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