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ユリティアとグレイユが魔法陣でわざわざ移動した先はディオの私室だった。
『ごめんね、フォルトゥナが兵士を用意するとは思ってなくて。』
白い室内はユリティアの客間より数倍広く、家具には銀細工と細やかな彫刻が施されている。
ディオに勧められてユリティアが椅子に座ると、先ほどディオの隣に居た侍女が現れる。
『我らの声は他の者には聞こえぬ、全ては風の音なり。』
侍女がメイド服に付いたエプロンを取り、さっと翻すと、黄色のドレスを着た女性が姿を現す。
琥珀色の髪は短く切り揃えてあり、瑠璃色の瞳を宿している。
『初めまして、シャンテールよ。』
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