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ユリティアは頷き、魔法陣の中へと入っていった。
『ユリティアの記憶は‘彼’が持ってるの?』
シャンテールが腕を組み、グレイユを眺める。
『あの方はユリティア様の記憶と感情を保管しているのです。
ですが、ユリティア様は夢で会われたようです。』
グレイユが強く唇を噛み、うっすらと血がにじむ。
『‘彼’の封印が解けかかっているわ。あの子にも、‘彼’にも時間はあまり残されていないわね…』
シャンテールがため息を吐くと、空気が徐々に重くなっていく。
‘彼’が暴走してユリティアの記憶の封印が解けるか、ユリティアが封印を解いてしまうか。
その二つには時間がない。
‘彼’の暴走はいつ起きてもおかしくない。
ユリティアが封印を解くのは時間の問題だ。
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