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グレイユが消えた後に窓が突然開いた。
生温い気持ち悪い風がユリティアの髪を撫でていく。
窓から現れたのは白銀の火馬のツクヨミだった。
ツクヨミは滑らかに空中を駆けて、ユリティアの側へ行く。
白銀の焔の玉がユリティアの目の前で左右に揺れている。
うとうととユリティアが目を閉じると、ツクヨミは焔を消した。
〈お前は会わなければならない。記憶を取り戻すかもしれないがな。〉
ツクヨミを白銀の焔が覆い、ふっと姿を消す。
相変わらず、生温い気持ち悪い風が部屋に吹き込んでいた。
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