1日目~偵察部隊撤退支援

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時は数時間前に遡る。 クレスト基地に増援がくる。だが、数日前に増援は既に送られており、その増援の内容が違った為に司令官が文句を言ってよこした増援である。 だが、その内容もやはり本来と違ったものであった。 「一体どう言う事だ!増援のACは専属の『オンリーフェイス』じゃなかったのか!?」 『最初はその予定だったが、会議の結果やはり最高クラスの戦力を送るのは間違いとなってな』 「ふざけるなぁ!!奴が入ればこんな戦い……!」 司令官は通信に怒鳴り散らすが 『代わりの戦力は『機関』のレイヴンだ、戦力にはなる』 と言い、通信を一方的に切った。 同時にドアが開き、黒服の男とパイロットスーツの少女が入った。 「クヒヒ、お取り込み中失礼します、『機関』のツールです」 「チッ、貴様はどうでもいい、レイヴンを教えろ」 司令官は通信のいらつきをツールと名乗る男にぶつける。 「クヒヒ、コレですか?コレは新資源から得た知識で作った強化人間、PH05です」 「気に入らん言い方だ……」 文字通りツールの言い方が気に入らない、人を実験材料として考え、持論が合っていれば『成功』、合ってなければ『失敗』として処分する。 まさしく、マッドサイエンティストの考え方だ。人を指す単語にコレなど言うのもその印象を助長させる。 「クヒヒヒヒ、私は人殺しが振りかざす倫理が嫌いです、ヒヒ」 司令官はツールを睨む、これ以上気に食わない事を言うならば、こいつらとの契約は破棄すると彼は決めた。 「すみませんねぇ、クヒヒ、なにぶん笑いが止まらないもので、コレのスペックは凄いですよ、通常の処置に加え、首筋にコネクタを着ける事でAC操作に限り、反応速度は1.2倍、制御効率も1.5倍になっておりますクヒヒハハ」 ツールはPH05の『スペック』を自慢げに語る。やはり道具か、せいぜい商品程度にしか考えていない様に感じる。 そして、その少女はまだ一言も発していない。
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