1日目~偵察部隊撤退支援

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クレスト基地から一機のACが飛び出した。 それに乗っているのは無論PH05であり、ACの名もPH05である。 『機関』からすれば、所詮彼女はこのACのパーツ程度の価値しかない。 『いいですかPH05、失敗は許しません』 誰かが通信をする、PH05はいつもの様に無視する。 言語障害等はない、喋りかける人物は皆『ACのPH05』に言っているから『パーツのPH05』が返事をする必要がないのだ。 機能として埋め込まれたレーダーが三機のMTを補足する。 ECM濃度が低いのか、集中すれば気にならない。 0時の方向に1020、2時の方向に959、9時の方向に564、効率的なルート0→2→9。 PH05は左背のグレネードを展開し、ブーストで前進する。 相手は跳びもしない地を這うMTだ、強化された身としてはロックすら必要ではない。 ノーロックで放たれたグレネードは、常人ではロクに見えない暗闇で何かに当たり照らしだす。 PH05にはしっかりとMTが爆散するさまが見れた。レーダーからも0時のMTが消滅している。 2時、同じ手順でやろうにも障害物があり不能、OBによる急接近の準備をする。 背中に光が集約され、爆発的に放出される。 MT補足、なんとか逃げようとするが、もうロックが完了している、グレネードを放ちMTを消し飛ばす。 9時、ENが不足OB不能、障害物もありノーロック不能、通常ブーストによる接近を行う。 MTの速度では大して距離を取られていない。最後のMT撃墜も時間の問題だろう。 『さぁ、さっさと全滅させるんだ、クヒヒ』 誰かが通信する、さっきと違い、調子が戻って来たようだ。 レーダーにMT以外の反応が現れる。この反応はACであろう。 恐らく、MTの援護に来たのであろう。方角、速度共にほぼ同時にMTと遭遇する事を告げている。OBで接近すれば、敵より速くつくかも知れないが、それをするとチャージング中にACと遭遇してしまう。
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