1日目~偵察部隊撤退支援

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「おいおいおい……!」 ノイズが走るレーダーから味方の反応が一つ消えた。直線状には敵を示す光点が一つある。 その光点が急速に味方の光点に接近、消滅する。 「化け物かよ……!」 光点が一瞬で消えた為、高火力の武装を使ったのだろう。長距離からの急接近、これは恐らくOBだ、恐ろしいのはOBの速度で高火力の武装を当てた事だ。 あんな距離から一撃でMTを破壊出来る武装は限られている、しかもそれをOBの加速域でぶつけたのだ。 そんな化け物が、次は自機に近いMTを襲おうと接近している。 そして、自機の正面にMT、その奥にACが見えた。 BDは敵と通信を繋ぐ為に、チャンネルをオープンにする。 「正面のAC、聞こえるかぁ?」 繋がれ、そして何か話せ……! 初期型MTはブースタがなく、機動性がすこぶる悪い。 その近くでやり合えば確実にMTも巻き込まれる。防衛目標はもう彼しかいない以上、手段は選べない。 ACからの返事はない、ならば! バレットダンスの左背のロケットをACに向け放ち、左腕のスナイパーライフルで狙撃する、更に左側にブーストで移動する。 不意の一撃なのに、ACは全ての攻撃を左側にブーストし、回避する。 だが、ACはこちらに撃破の優先順位が変わったのか、背中にOBの光を集める。 回避は誤算だが、重要な事はMTが逃げるまで時間を稼ぐ事だ。 OBにより急接近するACが、MTから離れている事に安堵する。 背後に下がりながら、眼前に迫るACに右腕のENスナイパーライフルを放つ。 「まじか……グァ!」 眼前のACはOBの加速域でENスナイパーライフルを回避した、のみならず、背部のグレネードをバレットダンスに叩き込まれる。 この常人には不可能な反射神経と背部のキャノンを構え無しでの使用……! 「こいつ、強化人間か……!」 戦う為に身体を機械と人工物だらけにしかイカレタ連中、人を超えた『化け物』。 それなら、化け物じみた機動も納得だ、じみたのではなく化け物なのだから。
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