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バレットダンスの右側からグレネードが飛んでくる。
それをバックで回避しようとしたが、スナイパーライフルの砲身の長さが災いし、右腕のENスナイパーライフルに直撃、鉄屑に変わる。
「がぁぁぁ!!」
衝撃に耐え、レーダーを見ると、背後に敵ACの反応が合った。
今更、何処に回避しようが、グレネードの直撃は確実、直撃では機体が持つかすら分からない。
ならばと、ブーストで体当たりでもしようとした時、
『邪魔ぁ!』
複数のミサイルが敵ACに直撃する。
「AC反応……エウクランテか!」
エウクランテの駆るダイモスは更に加速し、敵ACにショットガンを放つ。
それはブーストによる前進によって、直撃こそしなかったが、装甲を確実に削っている。
敵ACを見ると、人でいう右肘から先がなくなっている。
敵ACの背中に光が集まる、さすがに離脱するようだ。
『逃がすかぁ!』
ダイモスの左背から三連ロケットが放たれる。
一発は頭部にぶつかるが、残りはOBで加速したACには届かなかった。
『……これ以上はいい』
ケビンの声がする、指令自ら労う気か。
「ケビン、あんた自ら労うのは嬉しいが『作戦は失敗だ……』
BDの声にケビンが被せる。
「失敗だと……あの後MTがやられたのか!?」
ありえない、あのACはこちらに向かったし、他の機体はレーダーにすら映っていない、今は比較的ECMへの影響もない。
『恐らくはゲリラだ、武装一つなかったのだ……』
それなら、MTはもはや動くマトに成り下がる、ゲリラの火力で破壊出来る程脆いマトに……
『BDとエウクランテは帰還してくれ、ミッションレコーダーはこちらで回収する……』
声には疲れが分かりやすい程入っていた。
とはいえ、こちらが出来る事ももはやない。
「……BD、これより帰還する」
違和感はあるが、どうしようもない。
次の作戦に備え離脱しよう。
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