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『昨日、アバクス平原密林部にクレスト側の大規模な増援が確認されました。
アバクス平原密林部には未だ発掘されていない多くの資源が眠っており、クレストに渡す訳にはいきません。
そこでレイヴンの出番です。
貴方は僚機のレイヴンと共に我々の部隊に合流、協同してクレスト部隊を撤退させて下さい。
また、民間のゲリラが確認されますが対応は現場の指示に従って下さい。
なお、この依頼は必然的に長期間の内容になる為、報酬は24時間ごとに上乗せさせます。
賢明な判断を期待します。』
依頼を受けますか
YES←/NO
二機の輸送機とそれに吊られたACが密林に陰を落とす。
『もうすぐミラージュ基地です、BD様着地の準備を』
輸送機のパイロットがそう言い、BDと呼ばれたレイヴンが応じる。
「了解、所で隣のACと通信繋げるか?」
『サウンドオンリーなら可能ですが』
それでいい、とBDは伝えた。顔なんかヘルメットで分からない上に、どんな人物か知りたいだけだ。
なにせ、レイヴンは最近登録された新入りである。全く、二人雇って起きながら一人は新入り、重要なのかそうじゃないのか分かったものじゃない。
『何の用』
数秒後、通信が繋がり、開口一番これである。
声は高く、若さがある。
「気構えるこたぁない、挨拶だよ挨拶」
BDは出来る気さくに言ったが
『いらない』
と、拒絶された。
レイヴンである以上、いつ敵になるか分からない為、情報を隠すのは当然と言える。が今から長期間の依頼を共にするのだ、信頼する為の最低限の情報は欲しい。
「こっちから名乗れって事か、俺はBD、もちろん偽名だ、ACはバレットダンス、これでも優秀なレイヴンで通ってるんだが、さぁこっちは名乗ったぞ」
……数秒の沈黙の後
『……エウクランテ、ACはダイモス』
とだけ言われ、通信が切られた。
通信を切るのはアレだが、レイヴン名と機体名は分かった。残りはおいおい知ればいい。
『ミラージュ基地上空、投下まで十…
九…
八…
七…
六…
五…
四…
三…
二…
一…
零…AC投下します、御武運を』
零の瞬間、二機のACが投下された。
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