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「君達がレイヴンか」
管制塔内の指令室にBDとエウクランテ、そして椅子に座った指令官が向かい合う。引率の兵士は外で待っている。
「はじめまして、レイヴンズアーク所属BDだ」
とりあえず、自己紹介をする。相手の印象に残るようにすればお得意様になるかも知れない。
「わたしはミラージュ基地アバクス平原密林部指令ケビン・マクファイヤー、ケビンでいい」
ケビンが立ち上がり、BDと握手をする。
「君の名前は?ヘルメットは取らないのか?」
ケビンがエウクランテに聞いたが、
「エウクランテ、握手はいい」
まさか、雇い主にもあんな態度を取るとは……
だが、ケビンは気にしていないようで、
「ハハハ、若者特有の生意気さか、懐かしい」
笑い飛ばしている。
と、急に顔を変え、
「それでは、改めて依頼を説明しよう、
メールの内容通り、クレストから資源を拝借するのが目的だ。
君達には第八特殊遊撃部隊として作戦範囲内で独自の判断で行動してもらう。
また、最終目的としてはクレストがアバクス平原密林部からの撤退だ、だから特に指示がない限りレイヴンより企業の部隊を優先して欲しい。
何か質問はあるか?」
ケビンが大まかに作戦を言い、BDが自分の中の疑問を投げ掛ける。
「ゲリラが出ると聞いたが、どうすりゃいい?」
メールの中には『現場の判断に従え』とあった。さすがに指示無しに殲滅はまずい気がした。
「ゲリラか……そうだな、あいつら最近ACや初期型MTを投入しているからな、全く何処の勢力が糸を引いているのか……」
ケビンが何かブツブツと考え混んでしまった。話が反れてしまった。
「ゲリラの処理はどうすりゃいいんだ」
BDが改めて指示を聞く。
「あぁ、そうだったな、MTのみを撃破してくれ」
「MTのみ?ACは無視していいのか?」
BDが聞く、正直ACとMTでは量産性以外のあらゆる点でACが勝っている。それなのにACを無視、不可解な指示だ。
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