融解

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「龍樹!!危ないから、墓地に行かせないようにしなさい!!」 「解ってるよ!境内でボール遊びしていいか、おじさんに聞いて?」 「灯籠倒さなきゃ、何してもいいぞ!後で混ぜろよ?」 「うん♪」 「透くん。マジで言ってる?」 「千奈美。おっさん扱いするな!」 「おっさんじゃん。」 尚登も大志君とすっかり仲良しになって。精進落しを中座して、遊び始めた子供達。 「優奈、危ないからあんまり遠くにいくなよな。」 「優奈、龍樹みたいにドジじゃないもん。」 「お姉ちゃん、おてんばなんだよ。パパがゆってた。」 「大志良いなぁ。お姉ちゃん、羨ましいな。」 「大丈夫。私が、尚登のお姉ちゃんしてあげるから。」 「いーなー。千奈美ちゃん、優奈のお姉ちゃんになってよ。」 「纏めて、面倒見てあげるわよ。」 子供達の賑やかな声。お祖父さんが居たら、すごく喜んだはず。 「孫達は、可愛いですな。」 「光明さんは、ご結婚は?」 「してません。」 「私のせいですね?」 「いいえ。縁談はあったんですよ?息子が懐かないんですよ。従って、結婚しないままです。」 「あの子達には、しがらみも何にもないんですね。全員兄弟みたい。」 「今年は大変ですよ?三人も増えますから。」 由美さんは、お義母様とお義父様に微笑んだ。 「そうね♪お祖母ちゃんとしては、今から楽しみだわ。どんなおくるみが良いかしら?美佐子さん、撫子にお邪魔しても良いかしら?」 「是非いらしてください、お義母様。」 別の所では、草壁家名物も始まっていた。 「加奈ちゃんかぁ…。可愛いね。」 「はい♪ありがとうございます。」 「後10年、早く出逢いたかったなぁ。」 「無理ですね。孝志くん居たし。」 「あのバカ…」 キョトンとしているお義母様とお義父様を尻目に、明さんは絶好調。 「10年前、千奈美が生まれたのよ。忘れたの?」 「由美さん、草壁家名物です。加奈子さんも明さんのコレ、社交辞令だから。」 「だと思いました♪」
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