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結局子供達は、孝志さんのお宅にお世話になった。
「本当に遅い新婚だよなぁ」
「そう?付き合いはじめていきなり新婚さん扱いだったじゃない?」
「焦ってたんだ。美佐子を早く、俺の女だって主張したかった。」
尚登には効果あり。だから今回も貴方は私が眠るまで、話をする。尚登もよくお腹に話しかける。
「お兄ちゃんが、守ってあげるからね」
幸せだと思う。こんなにも、望まれて生まれる我が子が。
「今度はきっと、女の子だな。」
「どうして?」
「動いてるのが、わかるだろ?動き方が、尚登の時と少し違う。優しいって言うか、柔らかいって言うか…女の子らしさを感じる。」
「次の検診が楽しみね?」
「だな。無事に…心配させないでくれよ?」
「大丈夫。元気だって、先生も仰ていたし。透の娘よ?きっとお転婆ね。」
穏やかで微笑みの絶えない家庭…。貴方が望むのなら、私はちゃんと貴方を支えようと思う。
貴方が私を選んで、あなたのお陰で、蟠りは解けた。貴方もちゃんと選ぶべき方向へと、進めていると思うから。だから、貴方への恩返しをしていきたい。
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