155人が本棚に入れています
本棚に追加
昼食も終えた頃、レイラは俺をとある部屋へと呼び出した。
コンコンッ
「失礼しまー…………………ぅぇ?」
「どうした?豆が鳩食ってポー!みたいな顔して。」
「いや、それ違う。」
そこには白衣に身を包んだレイラがいた。まぁ、ここは研究室のようだしいいだろう。しかし、しかしだ。目の前にいる何人ものレイラはどういうことなんだろうか。
すると机で作業をしていたレイラが答える。
「『そこにいるのは私自身』(Oneself in the mirror)だよ。そこにあるのは蝋で作られた私の人形さ。そう驚くこともない。」
な、なるほど。これが本来の使い方というやつか………。
「さて、今日は君に行って貰いたいところがある。なに、なんてことはない。各所に挨拶にまわってもらうだけのとても簡単なお仕事さ。
いいね?」
「ん、それが俺のもとに戻れる唯一の道なんだろ?」
そうだ、と頷く。
最初のコメントを投稿しよう!