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「立たせてしまって申し訳ないですわ。さ、お座りになって。」
そう言われこちらが座ると、サンクトゥス様も腰を落ちつかせる。彼女の旦那さんは、あとは淑女同士だけの方がよいだろうということで席を外された。
「あら、男性にしては気のきく方でしたわね。」
「私(ワタクシ)の生涯の伴侶ですもの。当たり前ですわ。」
おやっと。ライラさんの口が途端に鋭くなったか?
この人、今日1日通してわかったことだけどそうとう男という生き物を軽視してるようだ。軽蔑ではなく、軽視である。別に蔑んでみているわけじゃない。ただ、それよりもよっぽどたちの悪い。軽視、つまり男をその辺の石ころや雑草、叉はそれ以下としてみているだけなのだ。
それ故に悪意はなく、今のような発言に対してなんの躊躇いもない。
(俺がもとは男って知ってるけど、今は身体が女だからこそのこの扱い方なんだろうな。もしこれで俺が男のままだったならどうなっていたんだろうか?)
それこそ、最悪の事態になってしまったかもしれないと心の中で冷や汗をかく。
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