155人が本棚に入れています
本棚に追加
馬車に揺られて一時間、俺たちは聖王国城下へとたどり着いていた。馬車の備え付けの椅子にはあまりクッション性は無く痛くなったお尻をいたわりながら降りると、そこにはまるでお祭りでもあっているかのように人々で賑わっていた。
「すげぇ!!これが城下ってやつか!?」
「こらこら、あまりはしゃぐんじゃない。淑女ともあろうものが、はしたないぞ?」
うっせぇやい、こういうのは初めてなんだよ。
「さて、では手筈通りライラはハルカの修道会で必要な物や服など見繕ってくれ。」
「畏まりました。」
「ん、レイラはついてこないのか?」
「私には私の用事があるのだよ。んん、それとも私に付いて来て欲しいのかい?ハルカちゃんは寂しん坊だね。」
「うざ、さっさといけ!ばーか!」
はっはっは、とレイラはわざとらしく笑いながら人混みの中へと消えていく。
くそぅ、なんて憎たらしい奴なんだ!ガルルルル、と彼女の消えていった方に威嚇しているとライラさんが呆れたように溜め息をついた。
「ハルカ様、行きますよ。」
「あ、すいません……。」
最初のコメントを投稿しよう!