1章

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「あずさ!ななおちゃんに何してんの!近付くな!」 悟空くんが私を庇うように前に立ってくれた。 「なに!俺と七緒ちゃんは結婚の約束をしてるんだぞ!」 「……!ええっ」 ……何を言い出すんだ、白崎。 「だーかーらー、七緒ちゃんはこの島に来たんだ」 「!そ、そんな……」 ガクッと膝をつく悟空くん。 お、大袈裟じゃないかい? それを横目に白崎が私に耳打つ。 「……?」 「こいつ、女の子大好きなんだよ」 「……え?」 「ま、俺も大好きだけどな!」 「……」 男なんてみーんな女好きだ!と笑って、白崎は釣竿を担ぎ、海の方に歩いて行った。 「……」 男の人があれくらい吹っ切れてたら、少子化なんて進まないだろうに…… 草食系のその字もない奴だな。
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