1章

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テーブルに並ぶのは、ご馳走の数々。 お造りに、煮魚に、ハンバーグ(色が白っぽいから多分豆腐かな)に、炊き込みご飯にお味噌汁。 「……これ、全部作ったの?」 「当たり前だろー、一人暮らし長いから何でも作れるぞ」 「……」 私より、相当料理上手いな…… 部屋も綺麗に片付いてるし。 私が持ってきたきんぴらなんて恥ずかしくて出せない。 「で?風間は何作って来たんだ」 「……へ」 「その袋の中身、食い物じゃねーの?」 「や、でもおかずたくさんあるし……多分、白崎の作ったやつより美味しくないよ」 「何言ってんだよ!女の手料理は男のロマンだ!」 「……」 違う。 女の手料理はその人の器量と本性だ……
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