1章

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「俺、ガサツだし、女心とかわかんねーし」 「いや、分かる男なんてほとんどいないでしょ」 いたら、男の事で悩む女はいないって。 「でも、風間といるのは楽だわ」 「そう?」 「何か言葉選ばなくていいっつーか」 「長い事一緒に働いてたしね」 「それもあるけど、男友達といる感覚なんだよな」 「……」 うんうん、と大きく頷く白崎。 ……いや。うんうんじゃないよ? 「改めて、これからよろしくな」 スッ、と手を差し出された。 「……」 そういえば、5年も一緒に働いているのに握手なんてした事なかったな。 「……もう、上司と部下じゃないなんて変な感じだけど、よろしく」 「おぅ!」 私は、白崎の手をギュッと握りかえした。 島生活、楽しくなりそうだな。
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