3章

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それは、もう半年以上前の事。 『知ってる?白崎部長仕事辞めるんだって』 『……え』 白崎梓。 私の同期で上司。 秘書課の友達からそんな話しをされるとは思わなかった。 『嘘でしょ、私、何も聞いてないけど』 『うん、だって他社に引き抜かれるらしいよ。しかもうちより格上の大企業』 『!』 そんな…… 『まぁ、あくまでも噂だから』 『……そう』 白崎は、同期で一番の出世頭。 引き抜きの話しが来てもおかしくはない。 『あ、寂しい?』 『……まさか』 『まあ、白崎部長ならどこでもやっていけるだろうね』 『……うん』 ……素直に喜べないのはどうしてだろう。
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