コメディー映画を考える

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橋本『実はコメディーって最近のはあまり観な いんよね』 梅田『テレビのお笑い番組すら普段観ないもん ね』 橋本『それと最近はお笑いの世界で名前売った 人がコメディー映画撮るとスベるパターンある やろ?アレは多分周りがおだてるんやろね、映 画撮りませんか?云うて』 梅田『メディア側も大手プロダクションとの付 き合いもあるから、あまり作品評価の話は意図 的に避けるだろうし、結果ガラ空きの小屋の中 でまばらな客の失笑だけが空しく聞こえてる』 橋本『少なくとも過去のコメディー映画の傑作 云われてるモノって、共通点はテンポが早いっ て事やろ?アメリカの戦前から戦後にかけての スクリューボール・コメディーと云われたエル ンスト・ルヴィッチの作品とか、小林信彦さん が文春のコラムでよく紹介してて観たけど、そ の影響受けた弟子筋の名匠ビリー・ワイルダー の一連のコメディー映画もそうやん』 梅田『市川崑監督の初期の喜劇も凄いテンポだ もんね』 橋本『つまらないと感じるコメディー映画って 大抵テンポ悪い。どの作品とは云わんけど』 梅田『ボクも日本のコメディー映画で面白いと 感じたのは【ニッポン無責任時代】ぐらい。あ そこまでキャラが突き抜けないとね、それと毒 もあるし。但しこのラインを受け継ぐ映画が途 切れたのが残念。むしろ植木等が演じたあの キャラはテレビのお笑い、高田純次や爆笑問題 の太田光の芸風に影響与えてる』 橋本『日本やと人情喜劇のラインに持っていく のが無難な伝統なんやろけど。まァ【男はつら いよ】シリーズ以降は時代変遷もあり、なかな か後続作品は出て来ない』 梅田『テレビで素の魅力で売ってるタレントや 芸人を主役にしても、何かスクリーン映えしな いじゃない?植木等さんにしても渥美清さんに しても、あくまで役者として自分とは違うキャ ラを演じ切って、素の自分を世間に見せない事 で、ある種の神秘性もあったんだと思う』
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