コメディー映画を考える

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橋本『イギリスなんかも失業率の高い背景か ら、社会格差をテーマにしたコメディーなんか で面白いの色々あるけど、シニカルやのに厭味 なく、むしろ清々しくサッパリしたのが多い な』 梅田『【フルモンティ】なんか面白かった。失 業したムサい男たちがストリッパーになる話』 橋本『アレで笑ったんが、ストリッパーになる には先ずは踊りを勉強せなアカンって、レンタ ルビデオで【フラッシュダンス】借りてきて皆 で観る場面あるんやけど、ヒロインが鉄工所で 溶接のバイトしてるシーン観て、一人のオッ チャンがあんな溶接の仕方はオカシイって労働 者らしく突っ込む所(笑)』 梅田『イギリスって凄いのは王室なんかを堂々 とネタにして茶化すじゃない?昔の【モン ティ・パイソン】ってお笑い集団のコントなん か観たら、もう毒がキツくて(笑)』 橋本『あそこまでいくと好みが分かれるけど、 笑いって基本世の中を斜めに見るもんやと個人 的には思う』 梅田『しかしシニカルさで云えばアメリカのコ メディー映画でもウッディ・アレンの、特に初 期作なんかそんな作風だけど、但し正直あの エッセンスはネイティブな日本人には理解しづ らい。ユダヤ人特有の笑いらしいけど。最初に 名前出た名匠ビリー・ワイルダーもポーランド 出身のユダヤ人だけど』 橋本『ウッディ・アレンの映画が好きな人っ て、確かにインテリ層ゆうか、ちょっと気取っ た感じするわな(笑)けど、ビリー・ワイルダーは どうなんやろ?シニカルな感じはあまりしない けどな。まァ、御自身でも自分は作家やなく職 人やみたいな事云うてるから、ウッディ・アレ ンとは対極の、出自への拘りは作風には出てな い感じする』 梅田『ワイルダーって完璧なプロ意識ってゆう か、アメリカに亡命して国に残した母親をアウ シュビッツで殺されたりしながらも、そうゆう 個人的な思いを込めた部分で作品は作らなかっ たよね』
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