1、相合い傘

10/25
前へ
/253ページ
次へ
「…ありがとうございます」 目上の、しかも取引先の社長相手に逆らえる筈もなく、俺はその好意を有り難く思うことにした。 「ちょっと、傘持ってて」 俺は加藤さんに傘を渡され柄を握る。ズボンのポケットから取り出した鍵を扉に差し込みながら、加藤さんは何かを呟いた。 「…また、顔に出てるよ」 「え?」 「いや、今日で終わったなと思って」
/253ページ

最初のコメントを投稿しよう!

226人が本棚に入れています
本棚に追加