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その後、戻ってきた辰巳から親衛隊総隊長と言う単語をきいた。 総隊長とは、隊長よりもさらに上の位らしい。 そのぶん、面倒が増えるらしいが。 「総隊長………ね」 「お気に召しましたか?」 相変わらずビビりながらきいてくる。 だが、まあ……。 「上出来だ」 辰巳にしては、な。 ふっ。と、自然に笑みがこぼれる。 すると、俺の後ろに控えていた唯が、首を傾げている。 「どうした、唯」 「いや……。よくこんなタイミングで総隊長の位が空いたね」 そんなもの俺が知るか。 が、大体の予想はつく。 「辰巳」 「はい」 俺が、辰巳を呼んだことで、さらに首を傾げる唯。 「俺がいつも言ってることは?」 「出来ないと言う前に、行動しろ。です……」 「と、言う事だ」 にこやかに唯をみる。 案の定、溜め息をつかれた。 「ほんと、律だけは敵にまわしたくないな」 「当たり前だ」 ちなみに、さっきのはキング直々の教えだ。 本当に敵にするべきではないのは、俺じゃなくキングだろうな。 さてと。 舞台はこれで整った。 「いくぞ、唯」 「どこまでも」 そうして、俺は親衛隊総隊長となった。
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