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こうなったらもう俺に逆らう余地はない。
てか後が怖くて無理。
「……はい」
緩んでいた背筋を伸ばしてただ頷く。
そうすればキングはふっと笑った。佑とはまた違う笑み。
どことなく不気味なんだよな。恐いの間違いかもしれないけど。
てか乱れた環境ってどんな環境なんだ?
あれか。頭がカラフルな連中が多いとか?
でも坊ちゃんに限ってそれはあんまり無い気がするし。
「何か聞きたい事はある?」
うんうん唸っている俺に気づいたのか優しく問いかけるキング。
いや、優しくっていっても、やっぱりどことなくキングは恐いんだけどね。
「あの……。乱れた環境とは具体的にどういった状況なんですか?」
キングにはばっちり敬語な俺。
佑がキングとして話している時は、俺もルークとして話さなければいけないからだ。
それが鈴丘家の暗黙の了解。
嫌いじゃないけどね。
俺の質問にキングはやや苦笑い。言いにくい事を言う時の仕草だ。
「まぁ、いろいろね……。
生徒会やら不良やら親衛隊がらみでいろいろと」
「は……?」
親衛隊? 俺の記憶が正しければ快桜学園は男子校。
男女共学ならまだしも男子校で親衛隊ってなんだよ。
……意味わかんねー。
「律にはわからないだろうね。
世の中は広いって事だよ」
はい。尚更意味わかりません。
佑は笑ってごまかしてるけど。てかいつの間にかキングから父親になってるし。
「まぁ、詳しい内容はあっちで辰巳に聞くだろうから」
よろしくね。と、微笑む父さん。
「……はい」
心なしか痛みを感じる頭をしぶしぶ縦に動かす。
そんなこんなで俺は快桜学園に通うハメになった。
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