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一瞬、素をみせてしまったような気もするが、まあ良しとしよう。
なにより俺が飽きてきたしな。
本当はもう少し質問を受けてもよかったが……ヤメだ。
「では、もうよろしいでしょうか? そろそろHRも始まりますし、頭を整理する時間も必要でしょう。
まだ何かあるようでしたら、後で個人的に聞きにきてきてください」
ガタンと立ち上がり教室を出ようとする俺を呼び止める者はいない。
正確には、呼び止められない。という方が正しいだろう。
呆気にとられ未だ放心状態の者もいれば、あえて口を閉ざす者も。
その中で、懲りもせず不満げに俺を睨む女男。
俺を睨み付けるその度胸だけは誉めてやってもいい。
けど……。
「学習能力のない犬は……嫌いだなぁ」
俺の小さな小さな呟きは扉を閉める音と共に廊下に消えた。
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