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――だけど。
「柚子!!」
大きな手に私の腕はあっさり掴まれてしまった。
本人は軽く掴んでいるのだろうが私にとっては痛みを伴うほどの力強さ。
「痛ったい! バカなにすんの!」
痛みから、いや距離の近さや名前を呼ばれた気恥ずかしさから私はやや強く言う。
「お前、今日変だよ? どうしたんだ?」
「なんでそんなのわかるの? それより手、離してよ」
そう言っても手を離そうとしなくて
「柚子」
真剣な顔で名前をもう一度呼ばれた。
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